<R.O.R ⓲>フードライター【鹿野 真砂美さん】有機人参と牛肉のエスニックきんぴら
”あの人”に教えてもらうレシピのリレー Relay of the recipes. Vol.18
第18回目は、東京・有楽町【ペル グラッツィア デル ソーレ】のオーナーシェフ伊崎 裕之さんからご紹介を頂きました、フードライターの鹿野真砂美さんです!
*自己紹介
フリーのライター、エディター。
『dancyu』などの食雑誌のほか、シェフや料理家のレシピブックの執筆、編集を中心に活動中。
東京の下町生まれ。自身も大の料理好きで、料理人の夫に毎朝、おばあちゃん仕込みの野菜たっぷり家庭料理をつくることを日課にしている。
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鹿野さんは、20年以上『dancyu』などでフードライターとしてご活躍されてきました。
ご主人は、あの銀座の名店「Mardi Gras(マルディ グラ)のオーナーシェフ、お肉料理のスペシャリスト和知徹さん!。プロの料理人さんの奥様って、大変そう!毎日何を作ったらいいのかしら?と、ずっと思っていましたが・・・(しかも巨匠!)。
「大地を守る会」でのコラム連載で拝見するお二人の日常の食卓は、ほのぼのとしたおうちごはんの温かみと、鹿野さんの肩ひじ張っていない、それでいて手抜きのない野菜料理のおいしい湯気に満ち溢れています。
(※このコラムは、ご多忙により現在は休止中です。)
伊崎 裕之さんからひと言
鹿野さんの書く文章は、料理や飲み物、それにまつわるさまざまなことへの愛情でみちあふれています。
経験、体験に裏づけられた想像力が源なんでしょうね。 単行本、ぜひとも出版してほしい!
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~食にまつわるお仕事に携わる ”あの人!” たちに、おすすめの旬の野菜の食べ方を教えていただきます。~
<オーガニックファーム綾>の畑で採れた無農薬の有機人参を使って、”いつも食べてる人参料理”とリクエストさせていただいたところ、「有機人参と牛肉のエスニックきんぴら」を教えてくださいました!
牛肉の脂をまとった人参の美味しさと言ったら!
まずナムプラーの芳香が鼻孔に抜け、しんなりとした人参とふんわりした牛肉の食感、人参の甘みと唐辛子&胡椒のピリリと立体的な辛味が混在していて、お箸が止まりません!ボウル一杯食べられそうです。おかわり、おかわり!
お砂糖は不使用、人参の凝縮された甘みがストレートに味わえる、それはそれはしあせな一皿です。
◎さすが ”肉シェフ”、和知家のゴージャスな人参料理!(撮影:ご主人)
材料
有機にんじん 大きめ1本(200g)
牛肩肉薄切り 150g
にんにく 小1片
鷹の爪 1本(種を取る)
酒 大さじ1
醤油 少々
ナムプラー 大さじ1
ごま油 大さじ1
黒胡椒 適量
香菜 適量
有機人参と牛肉のエスニックきんぴらの作り方
1.にんじんは皮ごと千切りにする。牛肉は一口大に切って酒と醤油をからませておく。にんにくは芯を除いて薄切りにする。
2.フライパンにごま油の半量を入れて強めの中火で熱し、1の牛肉を炒める。赤いところがなくなったら、いったん取り出す。
3.同じフライパンに残りのごま油とにんにく、鷹の爪を入れて弱火で炒め、香りが立ったらにんじんを入れる。
4.中火にして手早く炒め、にんじんがしんなりとしたら2の牛肉を戻し入れてざっと混ぜ、ナムプラーを入れて炒め合わせる。器に盛り、黒胡椒を振り、香菜を添える。
※いつも青菜やレンコンなどを魚醤でサッと炒めるのが好きなのですが、にんじんと相性のいい牛肉で、ご飯も進むおかずにアレンジしてみました。バゲットと合わせてベトナム風のサンドイッチに仕立てるのもオススメです。
Point!
・ナムプラーはものによって塩分もまちまちなので、味をみて量を加減してください。しょっつるなど、他の魚醤でももちろんおいしくできます。
・牛肉の下味の醤油は香り付けなので入れすぎないように注意。
・牛肉を取り出した後のフライパンに脂や焦げが目立つようなら、キッチンペーパーで拭き取ってからごま油を入れる。
さらに、美味しい食べ方も教えてくださいました!
~バインミー風サンド~
(こちらの撮影もご主人。仲良し。)
バゲットに切り込みを入れてバターを塗り、エスニックきんぴらと香菜、赤玉ねぎのスライス、大根の甘酢漬けや紅白なますなどの甘酸っぱい漬物を一緒に挟むと、ボリューム満点のサンドイッチに。
Vege8<オーガニックファーム綾>の野菜について
洗ってゴシゴシと泥を落とし始めた瞬間、にんじんのとてもいい香りが立ち上って驚きました。
食べたら、その甘さにもびっくり。ふだん、みりんや砂糖を入れる料理でも、このにんじんなら必要ないと思います。
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鹿野さんが執筆・編集された本
「銀座レカン」高良康之シェフが教えるフレンチの基本 グランメゾン総料理長直伝 一生もののベーシックレシピ
- 作者:高良 康之
- 出版社:世界文化社
- 発売日: 2017-05-31
編集後記:レシピ担当Yuki
ご紹介くださった伊崎シェフが、初めてのお打ち合わせの時から「次は鹿野さんで。」と、はっきりと絶対的に決めておられました。こうして編集を進めてみると、どうして鹿野さんを推してくださったのか、よ~くわかります。
鹿野さんは、「私でいいんですか?本当に私で大丈夫でしょうか?」と謙遜を超えて、ご多忙も極めておられ、きっとお断りになるおつもりだったのでは?と今となって思い返すほど、大きなフィールドで活躍されている凄腕ライターさんだったのです。10年前、この綾町へも足を運ばれていて、その記憶の確かさにもビックリの取材力の高さ!
食べ物の世界をたくさん見聞されてこられ、桁外れの場数を踏み、食に対する美意識の高い、鹿野さんの潔いレシピは作りやすく、人参の真の美味しさを引き出してくださっていました。知りすぎている人の最大限の完璧な引き算、ナムプラーだけって!感動的です。
あっさりと大人っぽく、奥行きがあり、素材の活きた、肩ひじの張っていない”いつもそこにある人参料理”、ごちそうさまでした!おいしかったー。
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