<Vege8>オーガニックファーム綾

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<オーガニックファーム綾>

人参ジュースに皮ごと使える<無農薬・無化学肥料・除草剤不使用の有機人参>を育てている 九州・宮崎県綾町の有機JAS認定農家の直営サイトです。
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[アーカイブ] 豊かな暮らしを提案するエコパーク

朝日新聞 2012年11月17日 

 

 

国内最大級の照葉樹林を守り、環境を壊さない農業や産業を長年進めてきた宮崎県綾町(あやまち)の一帯が今年(2012年)7月、「ユネスコエコパーク」に登録された。自然との共生を目指すエコパークは、国内では30年以上前に4地域が登録ずみだが、持続可能な暮らし方にも踏み込む新基準の下では、初めて。「町おこしの参考に」と注目を集めている。


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「ほんもの」を手作り


10月中旬、快晴の日曜日。古いもので樹齢400年の木々が生い茂る森の中は、ひんやりした空気に包まれていた。宮崎市中心部から北西約25㌔。綾町に広がる照葉樹林は、地元の人が「てるはの森」と呼ぶように、太陽の光を受けた木々の葉がキラキラ光る。

 「森の生き物の一員になってゆっくりした時間をすごして下さい」。福岡市と宮崎市から来た5人を森林セラピーの男性ガイドが案内した。

 町が主催するセラピーは、森の中を半日かけて歩きながら川のせせらぎを聞き、風の音を感じ、「水が枯れない」という湧き水口の水を飲む。宮崎市の会社員の井上朋子さん(42)は「五感を刺激され、本当にリラックスできました」。

 人口約7000人の綾町は80%が森林だ。自然との共生の礎を築いたのは、高度成長期の1966年に就任した郷田実・前町長(2000年に死去)。ふるさとの自然をなくしてはいけない、との強い思いから、国の針葉樹植林政策に反対を貫き、「てるはの森」の伐採を最小限に食い止めた。全国で初めて有機農業推進の条例をつくり、化学肥料や農薬をなるべく使わずし尿や生ごみを肥料にした土づくりを進めた。

 町内の野菜が並ぶ「綾手づくりほんものセンター」には、近郊から多くの買い物客が訪れる。野菜には「金」「銀」「銅」の印。金は3年間無農薬、有機肥料で作ったもの。銀、銅は町の認証基準に沿い、農薬や化学肥料を抑えて作った野菜だ。

 有機農家の山口今朝広(けさひろ)さん(61)は、虫が寄るのは人工肥料の成分のせいと説き、代わりにキノコ菌を土にまく。本を読みあさって研究を重ねてきた。「医者がもうかるようではダメなんだ。もっと健康にいい野菜をつくりたい」と目を輝かせる。環境保全型の農家は約390人、野菜などを育てる町内の農家の9割にのぼる。

 農業だけではない。木工や陶芸、染め織りなど、40を超える工房も目を引く。環境破壊につながるような企業誘致をしなかった結果という。

 「これまでの町づくりがエコパークの理念に合っただけ。時代が追いついてきた」と、国の「現代の名工」にも選ばれた藍染め作家の秋山美和さん(71)は言う。

 エコパークは、ユネスコが認定する「生物圏保存地域」の国内通称だ。登録された綾町を中心とした総面積1万4580haは3つのゾーンに分けられる。自然保護を重視する「核心地域(コアゾーン)」では、人の立ち入りを制限。「緩衝地域(バッファゾーン)」は森林セラピーなど観光や教育、研究に活用する区域。人が生活する「移行地域(トランジッションゾーン)」では、有機農業など自然と共生した持続可能な暮らし方が体現される。

 登録されたことで、お金が直接、町に落ちるわけではないが、町は「自然と共に生きる町づくりが世界的に認められた」(前田綾町長)と喜び、観光の活発化を期待する。課題は、同じユネスコの世界遺産などにくらべ日本では認知度の低い「エコパーク」を、町の知名度アップにどうつなげ、共感を広めていくか。

 もともと、宮崎市から車で約30分とアクセスが良いため日帰り客は多いが、より長く滞在してもらう策を当面は考えるという。町の担当者は「自然を残しながら、豊かさを感じられる暮らしを実践する町の魅力は、一見で分かりにくいところもある。魅力を感じてもらえる体験型のプランを考えていきたい」と話す。


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持続可能な地域発展


1976年から登録が始まったエコパークは、今年7月時点でガラパゴス諸島(エクアドル)やイエローストン(アメリカ)など117カ国610地域に及んでいる。国内は、1980年に志賀高原(長野県など)、白山(石川県など)、大台ケ原・大峰山(奈良県など)、屋久島(鹿児島)の4地域が認定されている。

 しかし、4地域と綾町の登録には大きな違いがある。4地域は国が選んだのに対し、綾町は地元が主体的に申請したからだ。

 さらに、1995年にユネスコが策定した戦略で「地域主導の持続可能な開発と自然保護の両立」が重視され、エコパークの理念が大きく様変わりした。それまでは自然保護が重視され、核心地域と緩衝地域しかなかったが、移行地域が新設され「持続可能な形で地域も発展しないと、多様な生態系も守れない」という考え方が加わった。先に登録された国内4地域は現在、移行地域を設けるかエコパークから外れるか、13年末までの回答が求められている。

 

30年以上、綾町に携わり、申請書作りを手がけた河野耕三さん(64)は「多面的な価値観を大事にした町政の結果で、今後もエコパークだけに頼る町にはならない」と意気込む。

登録後、町には全国の自治体や福祉関係者らの視察が相次いでいる。

10月下旬には福島県只見町の目黒吉久町長らも訪れた。世界的に貴重なブナ林があり、エコパークを目指すという。目黒町長は「現代社会の流れで自然と人間が分断され、過疎と高齢化が進んだ。自然と共生するあり方を取り戻したい」と語った。

エコパークにくわしい横浜国立大大学院の松田裕之教授(生態学)は、町民の活動からボトムアップで登録された綾町を、海外の学者も高く評価していると紹介したうえで、こうエールを送る。「公共事業や企業誘致とは正反対の取り組みをしてきた綾町は、今後の地方のあるべき姿のトップランナーだ」

朝日新聞 be 2012年11月17日 張守男

 

 

朝日新聞2012年11月17日


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