宮崎県綾町の「梶山商店」は地方の課題を解決できるのか?
先日、ツタヤが運営することで一時話題になった、佐賀県武雄市の武雄市図書館に行った際、「持続可能な資本主義」と「始めよう、お金の地産地消」という2冊の本を購入した。
「持続可能な資本主義」は、経済性と社会性を両立する「いい会社」に投資し、投資信託日本一に輝いた鎌倉投信のファンドマネージャーが出した結論がまとめられている本。
「始めよう、お金の地産地消」は、地域課題に取り組むNPOなどへ融資をするNPOバンクを通し、地域金融や地域でのお金の流れを考えさせてくれる本。
ざっくり言うと、どちらも、社会の課題解決に取り組む会社や組織を、金融面から応援した結果が書かれている、ソーシャルビジネスに興味のある人にはオススメな2冊。
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小さなきっかけが生まれる場所
宮崎県綾町にも、地方の課題を解決しようと、孤軍奮闘する「梶山商店」さんがある。代表の梶山剛さんは岩手県出身、奥さんの実家のある綾町に家族5人で住んで10年。
彼は「梶山商店」を始める前、「綾・本物センター」とよばれる町の直売所の店長をしていた。
そこで、綾町の農家の高齢化問題、美味しくても安すぎる規格外品といった様々な農業課題に直面し、これからの農業のために組織の中で出来ることの限界を感じ、直売所を退職し「梶山商店」を起業。
梶山商店にディスプレイされる農家の人達。
梶山さんが、10月22日に、梶山商店のベースとなるコミニティスペースをオープンさせた。
ここが人が集う場となり、いろいろな思いや意見が交差し、新しいモノや企画が生まれたり、自分にない価値観を持つ魅力ある人に出会えたりと、地域の課題解決の小さな「きっかけ」が生まれるような場所を作りたかったのだそうだ。
先日、コミニティースペースオープンの前祝いで、仲間内でお祝い会をした時の一枚。
左手前から、国家公務員を辞め、実家を継ぎ、美味しいトマトやセロリなど多くの野菜を栽培される中島農園の中島さん。炭素循環農法に取り組まれる、山口農園の山口さん。梶山さん。自然栽培の日本産ワインの製造に取り組まれる、香月ワインズの香月さん。
「考え方」も「進みたい方向」も異なる人が集まり、お酒を持ち寄り、閉店時間を気にすることなく、深い時間まで未来の話をする。楽しく、濃厚な時間。
梶山商店のミッションボード
目立つことはリスク?
地方の課題を解決するには「地に足のついた、フットワークのある、外を知る人」が必要。目立つことが「リスク」となったこの時代、それを厭わず、表に出て発信し、行動できる人が必要。
地方の中にいると、意向を取りまとめる必要のある大きな組織や行政では、課題の「源」の共有が難しく、課題の本質を解決することはできないのでは?時間が足りないのでは?と思えてきた。
そんな地方のなかで、梶山さんのような存在、梶山商店のようなplaceが重要。
彼と出会った頃、「目立つのが好きな陽気なおにいさん」ぐらいにしか思っていなかった。でも、恥ずかしながら違っていた。「たくさん行動しているから目立ってしまう陽気なおにいさん」だった。行動しないと何も変わらないことを知っている人だった。
Passion into Action(情熱を行動に)のスピードがある人だった。
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「予測不可能な世の中になる」くらいしか予測できない時代、梶山商店が5年後に、地域の課題を解決し続ける綾町のHUBになっているかもしれないし、5年後にはもう存続していないかもしれない。
ただ、あの経営学者ピーター・ドラッカーも言っているように「未来を予言する一番良い方法は、自分の手で創り出すこと」でもある。
人が集う場所は何かが生まれる可能性が高いのだと思う。
ツタヤが運営する武雄図書館も賛否両論あるみたいだけど、行って、そこに身を置き、数時間過ごしてみると、地方の日常にこんな空間があれば、人が集まり、人の発想が広がったり、思考が深まったりと、何かが生まれる「きっかけ」になる場所になるのだろうと感じた。
人が集まれば何かが生まれる。そこに、行動的な人がいれば、それが生まれる可能性はもっと増すのだろう。
皆さんも綾に来られたら、「梶山商店」をノックしてみてください。綾町の魅力を全力で発信する梶山剛が、笑顔で迎えてくれます。
おしまい。
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