どうして人参ジュースに適した甘さになるの?
「人参ジュースを作るとき、一緒にリンゴを入れた方がよいですか?」
無農薬、無化学肥料、除草剤不使用の有機栽培のジュース用人参のご注文を頂くお客様から聞かれることですが、「人参だけでも十分な甘さがあります。」と、お答えしています。
人参の糖度を測りに行ってきた!
これから人参の甘さはのってくるのですが、今年のジュース用人参をかじってみたら十分甘かったので、人参の糖度測定に、綾町の有機農業開発センターという施設に行ってきました。
ここは、綾町の有機農業などの持続可能な農業を総合的にサポートしている町の機関で、充実したラボもある施設。
ジュース用人参の糖度は7.8度!
通常、寒い日々を超えないと人参の糖度は増えないのですが、11月4日の時点で、人参ジュースとして飲むには十分な甘さの糖度7.8度。
これから本格的に寒くなる年末から2月、3月にむけて、もっと甘~くなっていきます。
例年、2月頃には9.5度位になります。
なぜ甘くなるの?人参のすごい防衛本能
水の凝固点(凍る温度)は0度ですが、砂糖水の凝固点はそれよりも低い-1.5度くらい。
さらに砂糖水の中の砂糖の濃度が増えると、凍る温度は-3.0度くらいまで下がります。
水や固体は、甘ければ、甘いほど、凍りにくくなるのです。
そして、人参は本能的にそれが分かっているみたいなのです。
0度を下回る寒い冬を越える際、自分自身が凍らないように、人参は自分自身の糖分を増やすのです。
なので、寒さが増せば増すほど人参の糖度は上がると言われています。
寒い冬を越す際に凍りたくないという人参の防衛本能が、甘いジュース用人参につながるのです。
土が大切。
もちろん寒い気温以外にも、β―カロチンの含有量が多く甘みの高い、黒田五寸人参という品種を育てているということもありますし、微生物や有機物を含んだ土も必要です。
人参の先の根っこ部分が下に下に延びようとしています。
種を蒔く際、黒田五寸人参に適した深さである20cm前後で土を耕すことにより、理想的大きさになるのようしています。
人参の先のほうがこれだけ長く、下へ、まだ延びようとしているのは、土の保水力と水はけが適切で、土がふかふかし、黒田五寸人参の生育に適している証拠です。
土が固く、人参の生育に適していないとここまで伸びませんし、いくら気温0度以下が続いても、土ができていないと甘くておいしい人参はできません。
綾町のベテラン有機農家さんからは、「土を作れ、土を作れ」と教わりますが、出来た作物を見る度にそれを実感します。
余談でーす。
ずっと前、金曜ロードショ―か何かで見た「天空の城ラピュタ」のセリフを、農作業の途中に度々思い出します。
土に根を下ろし 風と共に生きよう
種と共に冬を越え 鳥と共に春を歌おう
どんなに恐ろしい武器を持っても、
たくさんのかわいそうなロボットを操っても、
土から離れては生きられないのよ。
ほんと、人間も、食物も、いのちある者は「土」から離れて生きられないのかもしませんね。
明日の朝から、ようやく甘い人参ジュースが飲めます。うほほ!
おしまい。
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