知ってました?子孫のできる野菜の種(固定種)と、できない種(F1種)があるって。
家業を継ぎ、有機農業を始めて5年(2017年現在)。年間に10種類ほどの野菜を育てるので、まだ、おおよそ50回程の栽培経験しかないけど、栽培し、観察し、食べ、記録し、改善する5年間の時間の中で感じる、安全で美味しい野菜を育てるための優先順位は
1. 種 (どんな種を使うのか)
2. 土 (どんな土の状態なのか)
3. 育て方 (有機栽培なのか、自然農法や自然栽培なのか、それとも慣行栽培なのか。)
4. 環境 (その時の気候、雨量等)
この優先順位は、「安全で美味しい野菜」を育てる重要度。形や大きさの均一化や、安定的な生産を重要としたら、また違う優先順位になる。
うちは有機農家だけど、有機農業というのは育てる方法のひとつであって、より大切だと思うのは「種」。
知ってました?野菜には子孫のできる種(固定種)と、できない種(F1種)があるって。
さつま芋畑の近くに、他の農家の方の人参畑があり、収穫されずに取り残された人参が花を咲かせています。
花が咲き、種ができ、その種がまた子孫を残すのが自然の摂理ですが、でも、この人参の花から種をとり、土に蒔いても、人参はちゃんと育ちません。
こういう野菜をF1種と呼びます。
種には、大きく分けるとF1種、固定種、GM種の3種類があります。
F1種:揃いがよく病害の耐病性がある。生育が早い。1世代で命が終わるように、かけ合わせて作られた種。
固定種:味が良く、多様性や環境適応力があり、長期収穫できる。命が永遠と続く種。
GM種:遺伝子組み替えの種。野菜の遺伝子と、農薬に強い菌などの遺伝子をかけ合わせて作られた種。
日本でも、世界でも、農家が使う種の99%以上は、F1種。
今日あなたがお昼に食べた野菜は、99.9%の確率でこのF1種の野菜。
日本で、固定種の種からできた野菜を、日常的に、継続的に買うのはかなりハードルが高い。
日本中の美味しいものが集まる、都心の有名なオーガニックスーパーであったとしても、固定種のオーガニック野菜を探すのは難しい。
固定種の人参と比べると、花も小さいF1種。
ちなみにうちの野菜は
固定種:冬人参、ビーツ、生姜(自家採種)、里芋(自家採種)、さつまいも(自家採種)。
F1種:春人参、レタス類、ブロッコリー、ネギ。
で育てています。
特に栽培面積の広い人参は、固定種だと形や大きさ揃わなかったりと、農場の経営面だけを見たら、形の均一化に優れたF1種を使いたくなりますが、やはり、香りや美味しさなどを比べると、固定種の人参が最高です。
人参の生命エネルギーも、断然、固定種の方が強いのではないかと感じます。
特に、人参ジュースにした時の美味しさは、固定種人参とF1種人参では、同じオーガニックで育てた人参でも大きな違いがあります。
1億2千万人に、きちんと国産の野菜を届けるためには、F1種を使わなければ供給不可能という現実もありますし、F1種が悪いというわけではありませんが、命が1世代で終わるというF1種を、このまま僕たちは食べ続けていいのだろうか?本当に大丈夫なの???という、小さな不安もあります。
小さな有機農家でも、できる限り固定種の種を使い、安全なオーガニック野菜を育てなければと思う、少し眠たい梅雨の午後です。
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おしまい。
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